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  • 執筆者の写真河合綾子

赤字を持ち越せる?

前回のブログでも少し書いたのですが、「損失の繰越」についてお話しします。

これから事業を始めようと考えている方でしたら聞いたことやネットなどで読んだことがあるかもしれませんね。

所得税や法人税の計算は暦年、または事業年度で行うものであり基本的にはその期間で完結するものです。

ですがその1年業績が良かったからと言って事業が潤うわけではありませんよね。

過去に大きな赤字があれば資金繰りが苦しいことも多々あります。

このような場合を考慮し、例外的に一定期間「損失の繰越控除」をすることが出来る制度を所得税法、法人税法でそれぞれ設けています。

(所得税について、ここでは「純損失の繰越控除」に限定させて頂きます。)


例えば1年目が100万円の赤字、2年目が100万円の黒字だったとします。

この制度を利用しないと2年目は100万円に対して税金がかかってしまいますが、利用した場合は所得が「100万-100万=0円」で税金は発生しません。


繰越をすることが出来る期間は所得税の3年間に対し法人税は9~10年(発生した時期によって変わってきます)と長く有利になっていますが、赤字が続くことを想定して事業をされる方はいないと思いますので、個人か法人かの判断基準というよりはこういった制度があるということを知っておいて頂ければいいのではないかと思います。

また所得税・法人税のいずれも、この制度を利用するためには青色申告の承認を受ける必要があります。

起業1年目は利益が出にくいと思いますので開業届・設立届と一緒に青色申告の承認届出も忘れずに提出してするようにしましょう!

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